2004年02月号
金沢の文化と歴史、伝統を誇る酒蔵。
お米と自然の味わいを大切にしています。
日本の古い文化や街並みは、ふらっと歩いてみるだけでも、どこか懐かしさを感じたり、近代的な現在の街並みとは違うところにホッとしたりします。
石川県の金沢市も、独自の文化を築き上げてきた城下町です。その土地に寛永二年(1625年)から続く、金沢で最も長い歴史と伝統を誇る酒蔵『福光屋』はあります。昔からの酒蔵と聞くと古くさいようなイメージが先に立ちますが、福光屋のショップはとってもオシャレ。
2003年5月にオープンしたショップは、金沢の観光名所である兼六園の近くに位置しています。
どうしてこんな町中に酒蔵が?と思いますが、福光屋が創業以来金沢でお酒を造る理由は、水にありました。
霊峰白山の麓に降った雨が地中に浸み込み、実に百年の歳月をかけ、酒造りに適した水となって福光屋の蔵に辿り着くのです。
日本酒には、純米酒、吟醸酒、本醸造酒とありますが、みなさんは違いを知っていますか? 純米と名前のつくものは、米と水だけで造られた添加物を一切加えていないお酒のこと。吟醸酒や本醸造酒というのは、醸造アルコールというものが入っていて、少ないお米からお酒をたくさんつくる方法として戦後に開発されたのだとか。
福光屋では2001酒造年度より全ての造りを純米造りに切り替え、生産高万石単位の蔵では唯一の純米蔵なんだそうです。
ショップでは低料金でさまざまなお酒が試飲ができたり、ショップや期間限定のお酒が買えるなど、日本酒好きにはうれしいサービスも。しかし、日本酒があまり得意でないという方も、お店の雰囲気やお酒のパッケージデザイン、酒器などを見るだけでも楽しめると思いますよ。
金沢の文化を堪能しながら旨い酒に酔うのも楽しいのではないでしょうか?
http://www.fukumitsuya.co.jp
2004年04月号
春の空気を感じに大山へ。
素晴らしい山頂からの眺めと、おいしい豆腐 。
春と言ったらハイキング。花が咲き、香り立つ新緑の季節。冷たかった風がほんのり暖かくなる頃、全身で春を感じに、外に出かけてみたくなるものです。
都心からほんの少し離れた神奈川県伊勢原市にある「大山」は、標高1251.7mの山。別名「あふり山」とも呼ばれ、常に雲や霧を生じ雨を降らすのでこの名が起こったと言われます。
昔から霊山、水を司る神の山として崇拝されてきた大山では、かつて御師たちが食していた精進料理の「豆腐料理」がだんだんと広まり、現在では「大山=豆腐料理」というくらい有名です。
その大山をご紹介しましょう。
基本的に道は階段状になっていて中腹の阿夫利神社下社までは、坂道が急な「男坂」と少し緩やかな「女坂」。ラクチンな「ケーブルカー」とがあります。せっかくなので景色を眺めながら坂道を登った方が楽しめますよ。
阿夫利神社下社には、大山の名水が沸き出ていて、自由に飲むことができます。ひと登りした後の水は格別です。この水で「大山豆腐」も作られているのだとか。
さて、茶屋で一服し、これからが本番です。山頂までは歩いて登るしか方法はありません。下社までは、30分くらいで着きますが、山頂までは最低90分かかります。 ここも2つに分かれる道があり「ハイキングコース」と「裏参道」があるんです。「裏参道」は、それはもう道なき道といった感じで登山に近い険しい道。お子さま連れの場合は「ハイキングコース」をお勧めします。
山頂には阿夫利神社本社があり、神奈川県を見下ろす雄大な景色が360度広がります。東京タワーの約4倍の高さですから、相当な達成感が味わえます。
後はやっぱり有名な「豆腐料理」を食べないと! 宿泊される方は旅館や宿坊で食べられますが、今回は「夢心亭」というお店で頂いてきました。つるんときめ細かくふっくらした豆腐は、とってもおいしい! 豆腐といってもいろんな調理法があるもんだと感心しました。
運動不足の方も、筋肉痛覚悟で登ってみませんか?
駅からバス「大山ケーブル駅」行き
TEL.0463-91-1551
(Lo19:00/17:00以降は予約)月曜定休(月祝翌休)
豆腐会席3,000円と5,000円、
他にも豆腐の一品料理あり。
2004年06月号
那須与一「道の駅」
扇形の変わった屋根のがオープン!
最近、ドライブをすると、いろんな場所で「道の駅」を見かけることが多くなりました。「道の駅」とは、一般道路にできた休憩施設で、地域の文化や観光、特産物などを紹介している施設。いわば、地域の特色を活かした一般道路版サービスエリアといったところでしょうか。(「道の駅」は全国に743箇所あります。)
そこで、栃木県大田原市に4月10日オープンしたばかりの「道の駅」があると聞き、早速行ってみました。その名も「那須与一の郷」です。那須与一とは、平家物語の中の「屋島の戦い」で、海の上の扇の的を射落としたことで有名な人物です。
施設は、屋根や建物に扇の形をかたどってあり、中央の池や時計台、外灯に至るまで、与一にちなんだ凝った作りになっています。扇や弓の形を探してみるのも楽しいですね。
「道の駅」といえば地域で採れた野菜などの直売を売りにしていますが、ここ「那須与一の郷」でも、毎日地元の朝取り新鮮野菜が農家から直売で店頭に並びます。スーパーで買うより安くて新鮮なものが揃うとあって、現在、午後2時くらいには全て売り切れてしまうほどの人気です。
他にも大田原市は大豆の生産が盛んで、「那須与一の郷」で手作りしている豆腐は、たまうららという品種にこだわったおいしい豆腐も好評です。
建物の裏手には那須神社があり、ここは仁徳天皇(313〜399年)の時代の創立と伝えられ、延暦年中(782〜806)には坂上田村麻呂が応仁天皇を祀って八幡宮にしたと伝えられています。社宝は与一が奉納したといわれる太刀です。寛永19年(1639)の建立と推測される桜門のほか、春と秋の例大祭に奉納される太々神楽や獅子舞、流鏑馬(やぶさめ)の行事などでも有名です。
平成18年度には、那須与一の記念品などを飾る「与一伝承館」が出来る予定。みどころ満載の「道の駅」になりそうです。
【住 所】栃木県大田原市南金丸1584番地6 【開館時間】 ●情 報 館 9:00〜19:00 ●加工・物産品館 10:00〜19:00 ●農産物直売館 9:00〜17:00 ●レストラン館 11:00〜19:00 |
【休館日】年始(1月1日〜3日)と12月・1月・2月の 月曜日(祝日は翌日) 【駐車台数】普通車90台、大型車10台、身体障害者用3台 【トイレ数】男性用13、女性用16、多目的用1 お問い合せ先:TEL.0287-23-8641 |
2004年08月号
都心の渓谷
都心にあるとは思えない素敵な憩いの空間!
だんだんと気温の上がるこの季節。毎日が洗濯日和で、毎日がお出かけ日和ですね。でも、ちょっと暑すぎるんじゃない?といことで、涼を探しに出かけてみました。東京都区内に残る数少ない渓谷『等々力渓谷』。都内では珍しい延長約1kmの渓谷です。世田谷区にあり、駅から歩いて3分もかからない、大きな木を曲がった先に「等々力渓谷公園入口」があります。ちょうどゴルフ橋という橋を渡る手前になります。ゴルフ橋は、昭和初期にこの近辺にあったゴルフ場へ行く人達の為に作られたことから名付けられました。(現在、ゴルフ場はありません)
階段を下りて、等々力渓谷遊歩道に出ると、さっきまでとはうって変わり空気がひんやりと感じられます。
川が流れる横の道を進んでいくと、途中に古墳時代後期から奈良時代(7世紀後半〜8世紀)に造られたという「横穴古墳」がありました。入り口のガラス越しに中の様子が覗けるようになっているのですが、残念ながらガラスが曇っていてよく見えませんでした。
しばらく景色を楽しみながら歩くと、右手に「椎児大師堂」があり、左手には湧き水が流れていて自由に持ち帰ることができます。
さらに進むと稲荷堂と不動の滝が見えてきました。かつてこの滝の音が渓谷に轟く程だったことから等々力(とどろき)と名が付いたそうです。
休みなく流れ落ちる雫が苔を伝い、ポロポロとこぼれる景色は、とてもきれいで時間を忘れてしまいました。
不動の滝から階段を上っていくと、等々力不動尊に着きます。不動堂本尊は、新義真言宗の宗祖興大師が山城国(現在の京都府)より、この地に移したと伝えられています。
東京とは思えない自然あふれる景色の中、しばらくは暑さを忘れていました。遠くからわざわざ訪れるほどのことはないかもしれませんが、家の近くにこんな空間があったらいいなと思わせるような場所でした。
等々力渓谷
【住 所】東京都世田谷区等々力1-22,2-37〜38【アクセス】●大井町線等々力駅徒歩3分、●バス等々力(成城学園前駅・渋谷駅・東京駅南口〜等々力)
【駐車場】等々力不動尊のパーキング(無料)を利用可
【年間行事】2004年7月25日(日)等々力渓谷「ほたる祭り」
お問い合せ先
玉川地域公園管理事務所: TEL.03-3704-49722004年10月号
江ノ島水族館
相模湾の一部を切り取ったような大水槽
悠然と泳ぐ8,000匹の真鰯の大群は、必見です。
全国でも人気のエリア、湘南。その江ノ島の入口にあるのが、今年新装オープンした『新江ノ島水族館』。海岸沿いにあり、富士山、江ノ島がある絶好の場所です。約8000匹のマイワシの大群。
相模湾の自然の姿を再現した高さ9m、水深6.5mの「相模湾大水槽」。岩場から海底までのエイやアジなど大小90種類が生息しています。特に水槽の中を銀色に輝きながらうねり泳ぐマイワシの大群は、見物です。
日本初、深海生物コーナー。
太陽の光が届かない真っ暗で、水温も低い水深200m以上の深海。不思議な生体の数々や研究の様子を公開しています。
幻想的なクラゲホール。
ブルー1色で統一された展示室。10億年の間、現在まで生き続けてきたクラゲを大小9つの水槽で公開しています。フワフワと泳ぐクラゲは、神秘的でとても幻想的です。
日本で一番大きな『みなぞう』。
人気者ミナミゾウアザラシ。日本で飼育されている中で一番大きく、オスはこの『みなぞう』だけ。全長4.5m、体重約2トン。冬場には、1日50kgのサバを食べるそうです。
イルカやクジラ、アシカのショー。
いつでも大人気のスタジアム。プロのダンサーの方や飼育スタッフの方々と繰り広げる楽しいショー。バンドウイルカ、カマイルカ、オキゴンドウやハナゴンドウ、アシカやオタリアなどが競演しています。
バンドウイルカの赤ちゃん誕生。
今年7月26日に、オスの赤ちゃん誕生。お父さんは、日本初の3世バンドウイルカ「パル」。お母さんともども江ノ島水族館生まれです。今回生まれたイルカは4世になり、日本でも例はありません。世界中でのないかも知れません。
江ノ島水族館
【住 所】神奈川県藤沢市片瀬海岸2-19-1【営業時間】年中無休。9:00〜17:00
【アクセス】●小田急線片瀬江ノ島下車徒歩3分●江ノ島電鉄江ノ島駅下車徒歩10分
【駐車場】なし。周辺の駐車場を利用。
【入場料金】大人2000円。子供1000円。団体料金もあり。
TEL.0466-29-9960
2004年12月号
神秘の異空間、羽黒山。
杉並木の澄んだ空気の中、神域へと上る石段。
山形県に広がる出羽三山は、月山、羽黒山、湯殿山の総称であり、古くから山岳修験の山として知られています。開山は約1400年前、第32代崇峻(すしゅん)天皇の皇子である蜂子皇子(はちこのみこ)が三本足の霊烏に導かれ、羽黒山に登拝し、羽黒権現を獲得、山頂に祠を創建したのが始まりとされています。皇子はさらに月山権現と湯殿山権現を感得し、三山の開祖となった。以後、羽黒派古修験道として全国に広がったのです。羽黒山は、高さ414メートル。2446段もの石段が山頂まで続きます。入口の随神門(ずいしんもん)をくぐると、ここから先は神域となります。しばらく下ると祓川(はらいがわ)が流れ、神橋(しんきょう)が色鮮やかに架かります。右手には須賀の滝。一枚岩の橋を渡って滝のすぐ下まで行くことができます。
神橋を越えて少しすると、国宝の五重塔と樹齢1000年を越える天然記念物「爺杉(じじすぎ)」が現れます。静かに建つ五重塔は、「すごい」と思わずにはいられない迫力。爺杉は、目の前に立つと、一瞬時を忘れ大きな何かに包まれているような気にさえなってくる。
五重塔を越えると本格的な上り道になります。二の坂を上りきった所にある茶屋までが一番キツイと感じます。
二の坂茶屋では、名物の力餅を食べ一休み。晴れた日には、日本海の水平線に飛島(とびしま)を見ることができるそうです。
三の坂の手前を右に折れると、松尾芭蕉が滞在した南谷(みなみだに)があります。今は跡が残るだけですが、1689年に芭蕉が羽黒山を訪れた際に滞在し「有難や雪をかほらす南谷」の句を詠んだとされています。
三の坂を上りきると鳥居が見えます。ここで石段も終わり。たくさん汗をかいて、とても清々しい気分で鳥居をくぐります。
山頂には、月山、湯殿山、羽黒山の三神を合祭した三神合祭殿(さんじんごうさいでん)あり、巨大な茅葺き屋根とその造りには圧倒させられます。他にも、鏡池・蜂子神社・大鐘など歴史あるものが間近で見られます。
石段には、たまに天狗の絵や徳利とお猪口などの絵が彫られたものがあり、それらを探しながら歩くのも楽しいですよ。
↑山頂にある国指定重要文化財の三神合祭殿。 正面では、力士の彫刻がこちらを見ています。 ←樹齢1000年を越える天然記念物の爺杉(じじすぎ)。高さ42メートルの大木です。木の精霊がいそうな雰囲気。 |
羽黒山
【住 所】山形県東田川郡羽黒町手向【アクセス】●JR鶴岡駅より羽黒山頂行きバス利用
その他のアクセス方法はこちらを参照ください。羽黒山
【駐車場】数台あり。
【入場料金】無料 ※毎年8月31日に開催される八朔祭には、全国から観光客が集まる。
お問い合せは「羽黒町観光課」TEL.0235-62-2111