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本物の味噌をおうちで作ろう
味噌を家で仕込むなんて、難しそう? いえいえ、
時間はかかりますが作り方も材料も至ってシンプル!
手前味噌というくらいですから、やってみよう!という気持ちがあれば誰でも出来ますよ。
市販の味噌では味わえない、わが家の味噌を作ってみませんか?
味噌は、かつては各家庭で作られるのが当たり前でした。
「味噌汁は朝の毒消し」
「三里戻っても味噌汁飲め」
これは昔から日本で言われてきた言葉です。それだけ「味噌」が毎日に欠かせないもので、自分たちの健康の素になっていたことを昔の人たちは実感していたようです。しかし近年では、味噌汁を飲まない人も多くなっていると聞きました。味噌を家庭で作ることもほとんどなくなり、味噌と言えばスーパーなどの調味料コーナーに並んでいるものが一般的です。ですが、スーパーの味噌と家庭で作られていた味噌とは、果たして同じ味噌でしょうか?
スーパーなどで売られている味噌の大半は、添加物をたくさん入れ、短時日(2〜3ヶ月)で醸造する速醸という方法で作られています。インスタント発酵の味噌と言っても過言ではありません。
では、本物の味噌とは? 仕込んでから1年近く寝かせ、じっくり発酵させたものです。そうすることで植物性乳酸菌をたっぷり含んだ生きた味噌ができるのです。
今回は東京都練馬区で昔みその製造販売を行う糀屋三郎右衛門の辻田雅寛さんに昔ながらの味噌について教えていただきました。
味噌作りには麹が欠かせない
辻田さん 「私たちが作っている味噌は、添加物は一切入れません。麹も手作りしている味噌屋です。味噌の基本は麹です。代々伝わる味噌作りでは、一に麹、二に麹と言われ、麹がうまくできていないとおいしい味噌ができません。味噌は麹の発酵する力を利用して作られるからです。」 味噌はご存知の通り発酵食品です。発酵している味噌を密封して常温に置いておくと袋が膨らんでしまいます。それは発酵菌が生きて活動している証拠。でもスーパーに並んでいる味噌は膨らんだりしませんよね。それは、添加物を入れて発酵を抑えているからです。
手前味噌のわが家の味
辻田さん 「10年くらい前から、頼まれて手作り味噌教室を行っています。近年は自分で味噌を作りたいという方も増えているようで、教室の回数も増えてきました。小学校でも味噌作り教室を行ったりもしますよ。味噌がどういう風にできるかを学ぶのも楽しいし、手作り味噌は何と言ってもおいしいですから、お子さんと一緒に味噌作りをされるのもおすすめです。 不思議なことに、教室で同じ材料で仕込んでも、各家庭で全く違う味になります。置いた場所や家にいる菌によって味が変わるんです。味噌にも『わが家の味』があるんですよ。」
本物の味噌の印
辻田さん 「味噌の仕込みは、雑菌が繁殖しにくい11〜2月の寒い時期が理想です。5〜7月くらいに天地返しをします。天地返しは、味噌の上と下を混ぜることで、大きめのボウルなどに味噌をあけ、もう一度仕込み容器に入れ替える作業です。その時、味噌の中に白い小さなプツプツが出来ていたら、本物のおいしい味噌の印。これは、アミノ酸が結晶化したもので、これが出来たら大成功です。」 今年の冬は、わが家の味、手前味噌を作ってみませんか?
用意するもの
材料
- 国内産100%乾燥こうじ 1kg
- 国産丸大豆(大粒のもの) 1kg
- 塩 500g
- 種水(大豆の煮汁)800リットル
※この分量で4kgほどの味噌ができます。
その他材料 - 仕込み容器(5リットル)
4kgの味噌ができるので5リットル容器。
ポリ樽や寸胴のカメ、琺瑯など - 落とし蓋、重石(1〜1.5kg)
- ラップ、紙(新聞紙等)、ひも
- 大豆つぶし用ポリ袋(5kg用) 1枚
または、すり鉢 - 鍋(できれば圧力鍋)
※仕込みの道具は熱湯消毒をして乾かしておきます。
〈圧力鍋を使う場合の注意〉
5リットルや6リットルの鍋では、大豆の原料で約500gしか煮ることができないので、材料を等分して仕込み容器に入れるまでの作業を2回行ってください。重りが回り始めたら中火で18分煮て冷まします。
〈普通の鍋を使う場合の注意〉
沸騰後約10分ほど弱火で煮たら、水を取り替えて煮ます。(大豆の泡立ちが抑えられ楽に煮られます。)
焦がさないように、水加減に注意して、時々水を加えてください。煮えるまで約5〜6時間かかります。
糀屋三郎右衛門 辻田 雅寛 さん
糀屋三郎右衛門の7代目。原料から良い物を選び、納得のいかない物は使わない主義です。
そして、“私たち自身が安心して食べられるもの”を造り続けています。
味噌や麹の他に、手作り味噌セットも販売中。
住所:東京都練馬区中村2-29-8
TEL.03-3999-2276 FAX.03-3970-5635
URL:http://www.kouji-ya.com
ぷりぷりっ!旬の牡蠣でオイル漬け
暑かった夏の熱帯夜が少しずつ過ごしやすくなって、落ち着いてくる季節。
秋の夜長というくらいですから、暗くなるのも早いので、読書をしたり、映画を観たり、
おいしいつまみを肴に、ゆったりお酒を飲むのもいいですね。秋の夜長を楽しみましょう。
みなさんは、秋の夜はどう過ごされますか? 秋といえば、暑さも和らいでお腹が空いてくる食欲の秋。おいしい食べものがたくさんありますね。濃厚な海のミルク「牡蠣」も10月から旬を迎えます。
「あれ? 牡蠣って夏も旬だよね?」と思った方、それも正解です。実は牡蠣は、大きく分けて2種類あります。秋冬の10月〜4月が旬の「真牡蠣」と春夏の6月〜8月が旬の「岩牡蠣」とに大きく分けられます。だから、日本ではほぼ一年中牡蠣が食べられる環境なのです。
牡蠣の特長として、あまり知られていないのが、低カロリーで肌荒れ改善、アンチエイジング効果が期待できること! 濃厚な風味の牡蠣ですが、実はひと粒あたり約12kcal程と低カロリー。さらに身体に必要な必須ミネラルのひとつである亜鉛が、あらゆる食材の中で100gに含まれる量が一番多いのです。亜鉛は、細胞分裂を促進するので、肌の生まれ変わりを助ける効果があります。
夏の疲れが出やすい秋に、おいしいくて美肌効果が期待できる牡蠣のオイル漬けは、おすすめです。
今回は神奈川県大和市のフレンチを学んだ料理人、石田淳史さんにフレンチベースの牡蠣のオイル漬けを教えていただきました。
野菜の出汁で牡蠣を煮る
石田さん 「冷蔵庫の残り野菜を利用して野菜の出汁を取り、牡蠣を煮ます。これはフランス料理がベースになっています。野菜を煮出した出汁は、クールブイヨンと言って、フランス料理では魚介類の下煮によく使われます。牡蠣もこの出汁で煮ることで、野菜のうま味が加わり、味の幅が広がるんですよ。」
本来、フランス料理では、出汁を取った後の野菜は捨ててしまいますが、石田さんは、野菜もたっぷり食べたいということで、牡蠣と一緒に漬け込んでいます。
牡蠣も野菜も素材の味を大切に
石田さん 「牡蠣の大きさに合わせて、野菜も大きめにしています。大きめにすることで、食感や素材の風味を生かすようにしています。
そして、オイル漬けは、ひと晩冷蔵庫で漬けると、味が馴染んでおいしくなります。保存は、冷蔵庫で4〜5日ほどです。それ以上置いてしまうと、漬かりすぎて牡蠣も野菜も同じような味になってしまいます。本来の食材の味を楽しんでもらいたいので、牡蠣や野菜の風味が感じられるうちに食べてもらいたいです。」
他の料理にアレンジもできる
石田さん 「牡蠣のオイル漬けの良いところは、このままでもおいしいですが、いろんな料理にも応用ができるところです。例えば、牡蠣と野菜を使ったパスタやオイル漬けの汁でご飯を煮て、牡蠣を添えてリゾット風に。牡蠣と野菜にホワイトソースをかけて、オーブンで焼けばグラタンになります。
来客時や忙しい時には、事前に作っておけるので便利ですよ。」
もうひとつの牡蠣オイル漬け
フレンチベースの牡蠣オイル漬けと、もうひとつシンプルな牡蠣オイル漬けも次の頁で紹介します。
旬の真牡蠣が出回るこれからの季節。ぷっくりして、まるまる太った牡蠣を選んで、ぜひ、オイル漬けを楽しんでみてください。
夏に食べたい!薬膳ピクルス
きゅうりやトマト、セロリなど、夏は色とりどりの野菜がたくさんお店に並びます。
旬の夏野菜ですからたくさん食べられるといいですよね。そこで、夏には「ピクルス」がおすすめ!
スパイスを効かせた薬膳ピクルスにすれば、体を冷やす夏野菜でもたっぷり食べられますよ。
夏は色鮮やかな野菜がたくさん穫れる季節。きゅうりやゴーヤなどグリーンカーテンを利用した家庭菜園を行っているご家庭も多いと思います。そんな家庭菜園で穫れる夏野菜も、実は結構たくさんできて食べるのが大変!なんてこともよくあります。そんな時に保存が利いて、いろんな料理に応用できるのが、カラフルな野菜の酢漬け「ピクルス」です。
夏野菜は、体の余分な熱を体外に出してくれる作用があります。でも、あまり食べ過ぎると体を冷やしすぎてしまうので逆効果。それなら、「ピクルス」にするといいですよ。スパイスを効かせて「薬膳ピクルス」にするのがおすすめです。
「薬膳ピクルス」は、生姜や八角など体を温めるスパイスが入ることで、体の冷やしすぎを防げるピクルスです。また、食べものが傷みやすい夏場でもスパイスの効果で、1ヶ月間ほど長期保存ができるのもうれしいですね。
スーパーなどでも夏野菜は、お得な価格で買えるので、今年の夏は、ぜひ「薬膳ピクルス」にチャレンジして夏バテを予防しましょう!
今回は神奈川県葉山町で、「色を食べる! おやつ&デリ」ショップ〈3p・m・さんじ〉を主宰されている横田美宝子さんに、薬膳ピクルスを教えていただきました。
体を冷やさない薬膳ピクルス
横田さん:「夏野菜は、余分な熱を外に出す作用があるので、ピクルスにする時は生姜や唐辛子、クローブなど体を温めるスパイスを一緒に入れると、体を冷やし過ぎません。スパイスには防腐効果もあって、夏には特におすすめ。また、気を巡らす働きもあるので、体のすみずみまで元気を届けてくれますよ。」
「色を食べる」を大切に
横田さん:「野菜や食材の自然の色ってとてもカラフルでキレイですよね。色を食べること。地球上の自然の恵み、旬の色を真っ先に体中で感じながら頂くことが大事な栄養になると思います。 ピクルスも自然の野菜の色を生かしています。野菜の色別に漬けてもいいし、ミックスしてもきれい。旬のものを目でも味わえるのがいいですね。」
かき氷よりきゅうり一本?
横田さん:「中医学では、酸は収斂作用があって、体をきゅっと引き締めてくれます。そうすることで体の水分が出すぎなくなるということ。きゅうりなどウリ科の野菜は水分を外に出す作用があるので、ピクルスはバランスがいいんです。 暑くてかき氷を食べるなら、きゅうりやトマトのピクルスを食べてみて。体を適度に冷やしてくれますよ。冷たい食べものや飲みものは体を疲れさせます。その点、旬の野菜は体にやさしいんです。」
捨てるところがないピクルス
横田さん:「ピクルスは、そのまま食べたり、パンに挟んでもおいしい優れもの。それだけじゃなく、ピクルス液もいろいろ活用できるんです。野菜の栄養が溶け出したピクルス液は、飲む酢として、ちょっと飲んでもいいですし、ミニトマトのピクルス1〜2個を入れ、ピクルス液を炭酸で割ってもさわやかなドリンクができます。」
今年の夏は「薬膳ピクルス」で夏バテ防止、夏を乗り切りましょう。
旬を漬ける「完熟梅酒」
6月といえば梅雨の季節。じめじめした天気だと気分もスッキリしませんね。
しかし、この季節は一年に一度の梅が出回る楽しみな季節でもあります。
お店に梅が並びはじめると「今年はどんな梅酒を漬けようかな」とワクワクしませんか?
梅酒は家庭で簡単に作れるお酒なので、「毎年漬けているわ」という方も多いかもしれません。梅の実を洗ってヘタを取って、砂糖とお酒を入れて、後はじっくり待つだけ。簡単だけれど、この時期だけの梅しごとは、一仕事やったぞ!という特別な充実感があります。「梅が出ている今だけ」という期間限定な感じも、旬を大切にする日本人だからこそ、大事にしたいと感じるのだと思います。
梅酒といば、「青梅」を使って漬けるのが一般的ですが、熟して黄色くなった「完熟梅」で漬けるのも、甘い香りが強く、味わいがまろやかに仕上がり、とってもおいしいんです。漬けた後の梅の実もトロッと柔らか。完熟だから梅自体に甘みもあり、漬ける時の砂糖を控えめにできるのも嬉しいところです。
「完熟梅」は「青梅」より後に、梅干し用の南高梅などが出回ります。まだ青味が残る梅を「追熟」する方法もありますが、カビが生えたり、腐ってしまったりと、なかなか難しいようです。八百屋さんなどで熟した梅を見つけたら、今年はぜひ、完熟梅酒を作ってみませんか?
今回は神奈川県藤沢市で、様々な果実酒やシロップを漬けている料理家の北坂伸子さんに、梅酒について教えていただきました。
梅の季節はわくわくします
北坂さん:「梅って本当に旬の一時期しか出回らないので、出はじめると、いつ漬けようかとわくわくします。そして、良い梅を見つけたら、なるべく良い時期においしさを閉じ込めたい! と思うんです。 梅酒は薬効もあって身体を助けてくれるので、毎年3本分は必ず漬けているんですよ。」
梅酒の薬効と夏バテ対策にも
梅は昔から薬用として使われてきました。その梅のエキスがたっぷり染み出た梅酒には、疲労回復や整腸作用などの薬効があります。
梅にたくさん含まれるクエン酸は、疲労の原因になる乳酸を分解する働きがあります。ちなみに、梅酒に含まれるクエン酸は、レモンの15倍、梅干しの6倍とも言われています。
北坂さん:「夏の疲労をとるには、9月をどう過ごすかが大事なんです。梅酒を漬けて3ヶ月後は9月。ちょうど夏の疲労がたまる頃に梅酒が飲めるようになっているので、昔の人の知恵ってすごいですね。
それと季節の変わり目の端境期に食事の量を減らすことも大事です。端境期は農作物の種類が変わる時期。夏から秋にかけて野菜の種類が減ってきたら、それを目安に、人も食べる量を減らすと身体を休ませることができるんですよ。」
お酒や砂糖にもこだわりたい
北坂さん:「身体に優しいもの、良いものを熟成させた方が、飲むときも気持ちがいいので、材料にはちょっとこだわります。砂糖は精製を最低限にした洗双糖。お酒は本格焼酎の玄米焼酎。ブランデーで漬けたりもします。そうして、自分や家族の好みに作れるところが梅酒の一番の魅力だと思います。」
青梅もいいけど完熟梅も
北坂さん:「完熟梅は、梅の甘い香りがして、味がまろやかになります。梅酒だけでなく梅シロップの実も、完熟の方は柔らかくて、料理にもお酒のお供にもおすすめです。」
わが家の味を育てるぬか漬け
ごはんに味噌汁、あとはぬか漬けがあれば立派な食事になります。
質素だけれど、実はこれだけで身体に必要な全ての栄養素が補えてしまうのだから驚きです。
おいしくて、栄養豊富、腸まできれいにしてくれる「ぬか漬け」ってスゴイんです!
少し前までは、どこの家庭でも手作りしていたぬか漬け。ですが、今ではぬか床のある家は、本当に少なくなりました。ぬか漬けを作りたいなぁと思っても、毎日混ぜるのは面倒とか、臭いが気になる、置き場所がないなど、漬ける前から「面倒で大変そう」と思ってしまいがちです。
でも、日本人はぬか漬けが好きなので、食べたいなぁと思ったら市販のぬか漬けを買いますよね。手軽だし、面倒なぬか床を持たなくても食べられます。
だけど、安価な市販のぬか漬けは、乳酸発酵を抑えて、代わりに化学調味料や発酵調味料、香料などを添加した人工的なものも多いのです。それならやっぱり、おいしいぬか漬けは自分で作ろうじゃありませんか!
それに、実はぬか漬け作りは、そんなに大変な、大層なものじゃないんです。気軽にチャレンジしてみてください。簡単においしいぬか漬けができちゃいますよ。
折角なら、素材にこだわって無農薬の米ぬかや天然塩で、おいしいぬか漬けを作ってみませんか?
今回は神奈川県葉山町でぬか漬け教室なども行っている食養薬膳研究家の山田奈美さんに、ぬか漬けのことを教えていただきました。
ぬか漬けは完全栄養食!?
山田さん:「玄米から精米された『ぬか』には、お米のビタミン、ミネラルのおよそ95%が含まれています。その『ぬか』を発酵させて作る『ぬか床』には、たんぱく質、脂質、食物繊維、ビタミンA、B群、E、カルシウム、リン、鉄などの栄養素がいっぱいです。驚くことに、ぬか漬けにすることで、生の野菜の栄養素が3〜10倍もアップするんです。唯一含まれないビタミンCは、漬ける野菜から取れるので、ぬか漬けはまさに完全栄養食といえます。」
忙しい人にこそ、おすすめ?
忙しいのに毎日ぬか床をかき混ぜるなんて無理! と思うかもしれませんが、おかずを1品作るよりも断然、手早く簡単です。
山田さん:「忙しいお母さんには持ってこいですよ。それに、外食が多い方にもおすすめです。胃が重たい感じがしたら、ぬか漬けをちょっと食べれば、乳酸菌が腸の働きを整えてくれます。
ヨーグルトなど動物性の乳酸菌は腸まで届きませんが、ぬか漬けの植物性乳酸菌は強いので、腸まで届きます。お通じも良くなるので、良いこといっぱいですよ。」
わが家の味を作ろう!
山田さん:「おもしろいことに、ぬか漬けは同じ材料で同じように作っても、その家庭によって味わいが違います。その家の環境、流れる空気、住む人の持つ菌によって、ぬか床も変わります。まさに、その家庭にしかない『わが家の味』を作り出せるのがぬか漬けなのです。」
ぬか漬けを続けるコツ
ぬか床に慣れないうちや暑い日が続くときは、冷蔵庫に入れておくと管理がしやすいです。慣れたら常温にしてみましょう。乳酸菌が活発に活動するのは20〜25度。菌も常温の方が喜びます。
半年くらいすると、その家や人の菌が定着して『わが家の味』になります。ぜひ、世界でひとつしかない『わが家の味』を作りましょう。
酒粕で漬ける
新酒ができるこの季節に一緒にできるのが酒粕。
「かす」といっても、酒粕は発酵食品で栄養豊富。とってもおいしいんです!
そんな栄養たっぷりの酒粕でいろんな食材をおいしく漬けてみませんか?
お酒造りのプロで、酒粕のことをよく知る蔵人さんに教えていただきました。
実は、粕漬けを作る素の粕床も、焼きもの、煮物、炒め物と
何でもおいしくしてくれる万能調味料になるんですよ!
みなさんも、酒粕パワーでおいしく楽しく元気になりましょう!
酒粕の魅力と健康パワー
漬け物などの漬けてある食べものは、当たり前に私たちの身近にあります。だけど、漬けることでおいしくなったり、栄養がアップしたりするって、不思議ですよね。昔の人の知恵はすごいなぁと改めて思います。酒粕、ぬか、お酢、塩、などなど、いろんな漬け床があって、好きな物を漬けられる。これって楽しい!と思いませんか?
最初は酒粕です。酒粕の魅力
自然酒蔵元「寺田本家」の蔵人頭で料理家でもあるなかじさんに、酒粕の魅力をうかがいました。 なかじさん 「ひとことで言うと『まろやかさ』です。酒粕は、味も香りもまろやか。料理に使うと、野菜はカドが取れてまろやかになる。魚も魚臭さがなくなってまろやかに。いろんなものの「アク」や「トゲ」が抜けて料理がまろやかになります。それに、体にとっても消化吸収がしやすくなって、消化もまろやか。料理の見た目もクリームっぽくなるので、見た目もまろやか。全てが、まろやかになるすばらしい食材です。」
おいしく食べて元気にキレイ
なかじさん 「酒粕で漬けることで、プラスになることがたくさんあります。まずは、簡単に料理をおいしくできること。そして保存性が増します。ビタミンやアミノ酸も豊富で栄養も増します。そして、酒粕を食べると、中には微生物や酵素がたくさんいて、腸を元気に発酵させてくれます。腸がキレイになるとお肌もキレイになるのです。お肌がキレイだと毎日がうれしいですよね。『おいしく食べて元気にキレイに』は、酒粕料理の最大の魅力です。そんな風に、毎日が楽しくなるきっかけとして、酒粕を使ってほしいです。」 酒粕は本当に万能です。粕床を作っておくと、それ自体の保存も利くし、『漬ける』以外にも万能調味料として焼く、煮る、炒める、何にでも使えてとっても便利です。この季節に、酒粕はおすすめです!